研究紹介

動きの知覚に関する研究

 下のデモ中の真ん中の白い四角に目を向け,しばらくの間,目を動かさず,動いている縞を観察してください. 縞の動きが止まったときに,その縞が反対方向に動いているように見えませんか? 
 これが『滝の錯視』とも呼ばれる,運動残効という知覚現象です.



上で紹介した運動残効は順応した動きと”反対方向”に動きが知覚されたのですが, 我々はこれと違うタイプの運動残効を発見しました.私たちが発見した運動残効は,順 応方向と”同じ方向”に動きが見えるのです.

この新しいタイプの運動残効のデモが下にあります.どうでしょうか?



順応後に提示する刺激のことを専門的にはテスト刺激と呼びますが,テスト刺激をフリッカ(点滅)パターンにすると運動残効が順応刺激と同じ方向に見えたかと思います.


テスト刺激を静止させるか, あるいは点滅させるかで知覚される動きの方向が変わってしまいました. いったい,これは何を意味しているのでしょうか?
 我々が作った順応刺激には,粗い明暗の縞と細かい明暗の縞の2種類が含まれており, 両者がそれぞれ反対方向に動いていました.この粗い明暗の成分は専門的には低空間周波数成分といい, 細かい明暗の成分は高空間周波数成分といいます.
 実は,テスト刺激が単に静止したときは高空間周波数成分の運動残効が知覚され, テスト刺激が点滅したときは低空間周波数成分の運動残効が知覚されていたのです.
 また,このテスト刺激の違いに関しては,静止のときは 時間周波数が0 Hzですが,点滅のときは時間周波数が4 Hzでした. つまり,高空間周波数かつ低時間周波数に感度をもつ運動検出器と, 低空間周波数かつ高時間周波数に感度をもつ運動検出器の2つの運動情報処理経路が脳内にあることをこれらの結果は示唆しているのです.


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